スマホに盗聴アプリを使われると、GPS情報を勝手に調べられてしまいますか? 位置情報が誰かに知られると困ることってあるのでしょうか?
不正な盗聴アプリによって、お持ちのスマホのGPS機能を悪用され、位置情報や個人情報を盗み見られてしまうことがあります。
不正アプリが、なぜスマホにインストールされてしまうのでしょうか?
そしてなぜGPSの位置情報を勝手に読み取られるのでしょうか?
それは、不正アプリ(盗聴アプリ・スパイアプリ)で、GPSを監視しようとする人は、いったい何を目的として悪用しようとしているのかがヒントになります。
もちろんスマホの持ち主の誤操作や、フィッシング詐欺の手口による不特定多数を標的にした誘導などがあります。
しかし、その他には、魔が刺した知人や恋人、家族、そして、ストーカーの手による盗聴アプリのインストールが考えられます。
不正アプリの種類によっては、スマホの中の勝手に位置情報を盗み取るだけではなく、スマホ自体の機能を悪用し、遠隔操作で盗聴機器として使われてしまうことも考えられます。
スマートフォンはほとんどの方が常に持ち歩くものですので、GPSによる位置情報を読み取るだけではなく、通話や撮影機能を集音盗聴器代わりに使われてしまうと、リアルタイムでスマホの持ち主の周囲の状況のことが、なんでも筒抜けになってしまいます。
もし、「あなたの現在位置がどこかの誰かにばれている」と聞いて、危機感が湧かないのであれば問題です。
このページをゆっくり読み進め、GPSの位置情報がいかに重要か、居場所特定がいかに恐ろしいか、再確認してみてください。
※位置情報の測定方法には、米国GPSの他に日本のQZSS等も利用されることもありますが、当サイトでは便宜上、これら全体をGPSと呼称しています
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GPS位置情報の流出の影響
GPS位置情報が流出した場合、どんな影響があるのか、まとめています。
自宅が特定されてしまう
赤の他人の犯人にとっては、不正アプリでGPS情報を盗み取る目的のほとんどが、監視対象の自宅情報です。
更には、GPSの監視によって単純な住所だけでなくその生活リズムをも把握することができ、現在在宅かどうかまで判別がつくわけです。
自宅が特定され、流出してしまうと、勝手に在宅時に押しかけられたり、また不在時の空き巣も可能なため、非常に危険です。
その他に、「おもしろそうだから」「興味本位で」といった愉快犯や、犯罪だということを認識していない迷惑な人間を集団で呼び寄せてしまうこともあるので、GPS位置情報の流出はリスクが大きいのです。
行動範囲が監視されてしまう
ストーカーとは、見知らぬ他人が行う犯罪と言うわけではありません。
友人や知人に必要以上に執着し、監視下に置きたい、というゆがんだ欲望を持つ人がいます。
また、兄弟姉妹、親子という関係であっても過度の監視は問題でしょう。
もし、彼らにGPSの位置情報がばれていたとしたら、交遊・交際範囲まで監視されることも時間でしょう。
GPSは尾行・付きまとい、待ち伏せをしたい人にとっては最も強力な手段の一つですので、ストーキングの補助としても悪用されることもあります。
ただし、2021年に改正ストーカー規制法が成立したため、本人の同意なくGPSや位置情報を調べる不正アプリを使った監視行為は、最大で懲役2年以下または200万円以下の罰金が科せられる対象になりました。勤め先の機密情報が流出してしまう
友人間や家族間などであれば、もしかしたら対象者の勤め先や仕事内容を少し知っていることもあるかもしれません。
例えば、同業他社の外回りの営業担当だと知っていたら、スマホに不正アプリをインストールし、勝手にGPS位置情報を読み取ることで、その仕事のお得意先や顧客の住所情報を盗み取ることもできるでしょう。
不正アプリによってGPS以外のスマホの機能も盗聴・盗撮に利用されてしまえば、より重要な情報を盗みとられることもあるかもしれません。
もし、顧客情報の入った会社スマホに不正アプリをインストールされてしまったら、大変です。
また、それが発覚した場合は、被害者であるはずのあなたでも、会社にとっては加害者ですので、守秘義務違反で処罰されることもありえます。
盗聴アプリ以外で位置情報の流出が考えられるケース
位置情報の流出は、スパイアプリ、盗聴アプリがスマートフォンにインストールされてしまうことだけが原因ではありません。
以下の理由が、原因である可能性があります。
風景の写真で位置情報がばれる
スマホのGPS位置情報機能をオンにしたままで写真を撮影すると、撮影地点も一緒にスマホ内に記録される機能があります。
さらにその写真をSNSで投稿すると、位置情報も一緒に投稿してしまう、ということがあるようです。投稿する前にしっかりスマホの設定や投稿設定を見直しましょう。
また、特徴的な景色を手掛かりにして居場所を特定されることもあります。なんと風景で場所の特定ができるアプリもあるのです。
さらに、ほとんど景色が映っていない所謂“自撮り”でも、注意が必要です。
実際、アイドル女性の投稿した写真の、瞳に映っていた風景から、最寄り駅や自宅を見つけ出したというデジタルストーカーが2019年に逮捕されています。
電話番号で位置情報がばれる
固定電話の電話番号であれば、おおよその地域を知ることができるということは皆さんご存じでしょう。
では、携帯電話・スマホの番号で勝手に個人の位置情報を知ることもできるのではないか、と思われる方が多いようです。
基本的には、電話番号だけで位置情報がばれることはありません。
ただし、携帯電話・スマホを盗難や紛失してしまった場合の『電話検索システム』に不正アクセスされるときはこの限りではありません。
(※各携帯電話会社によってサービス名が異なります)
この場合は、電話番号だけではなくパスワードやIDも流出してしまっている、もしくは容易に想像できるような場合ですと、不正アクセスによってスマートフォンの位置情報が分かってしまいます。
最悪の場合、機能が制限されることもあるのでとても厄介です。
位置共有アプリで位置情報がばれる
家族や恋人、友人間で、一時期位置共有アプリを使用することが流行ったことがありました。
その多くは、災害時の連絡ツールや浮気対策の目的です。
ただし、これも悪用が可能だと言えます。
醜悪ですがグループ内でのいじめ目的などで、居場所を特定して勝手に他者に流出する人もいるのです。
また、別れたのにも関わらず、データを削除せずに元恋人の位置情報を監視し続ける人もいます。真に信用できる人以外とは、位置共有アプリの使用を控えた方が良いのかもしれません。
GPS情報を漏らさないために
便利ではありますが、悪用されれば危険なGPS情報を守るために何ができるのでしょうか。
もちろん一番はその根源たる盗聴アプリの除去ですが、もし不正アプリをインストールされた覚えがなくてもこれからご紹介する対策は必ず実施するようにしましょう。
位置情報サービスをオフにする
いちばん手軽にできる対策は、iOSまたはAndroidの設定を変更し、スマホ全体のGPS機能をオフにすることでしょう。
- iOS(iphone)では「設定」>「プライバシー」
- Androidでは「設定」>「位置情報」
もちろん常にオフにすると地図アプリ等が非常に不便なことにはなりますから、そういったアプリを使用する際にだけオンにするようにできればベターです。
ただし、一度オフにしたからといってそれからずっと安全というわけではありません。
位置情報をオフにしても、Androidはユーザーの位置情報を強制的に追跡していることもあります。
このようなOSの設定は、バージョンアップグレートや再起動、各種(不正かどうかに関わらず)アプリの機能によりオンになってしまうことが多々ありますので、更に細かい対策をしていく必要があります。
アプリにGPS情報取得の権限を委譲しない
各種アプリをストアサイトなどでインストールすると、初回起動時にマイクやカメラ、GPSなどの各種権限をそのアプリに移譲するかを問われることがあります。
原則的にはそのアプリで明らかに使う機能のみを許可するようにし、その他は不許可にするようにしましょう。例えば、写真加工アプリに位置情報やアドレス帳の開示を求められたとしても、OKしないようにしましょう。
特に近年は、アプリに表示される広告を最適化するなどという名目で、GPS情報を全く必要としないアプリにも関わらず、権限を要求する場合があります。必ず拒否してください。
間違えて権限をOKしてしまっても、あとから設定し直すこともできます。
- iOS(iphone)では「設定」>「プライバシー」
- Androidでは「設定」>「アプリと通知」>「権限マネージャ」
既にインストールしているアプリについての権限が心配な時も、いまどのような情報をアプリに提供しているのかを確認して下さい。勝手に位置情報をどこかに送信している、などと言うことがないかチェックしましょう。
アプリの提供元を確認する
そもそも、盗聴アプリをインストールしないようにしましょう。
アプリの信頼性の確認方法はパブリッシャー(販売元・提供元)を確認する方法が簡単です。
アプリをダウンロードする前のアプリストア画面で、必ず表示されています。確認する癖をつけましょう。
この販売元や提供元があなたの知らない会社で、調べても何も出てこない、といった場合には要注意です。
不正アプリそのものについて、不正アプリをダウンロードしてしまったらどうなるのか、不正アプリをダウンロードさせる手口については、こちら(不正アプリをスマホにインストールすると、個人情報が流出するのですか?)を確認ください。
GPS情報の流出は身体の危険に直結
警視庁によると、ストーカーの相談件数は、近年右肩上がりとなっているのが現状です。
令和元年にはストーカーによる殺人未遂は9件、その他傷害や暴行、脅迫は400件を超えています。
もちろん、警察に認知されていない犯罪もあるでしょう。
GPSの位置情報が流出し居場所が特定されることは、あなたの身体の危険に直結するものだという危機感を覚えなくてはいけません。
戸締りと同じレベル、もしくはそれ以上のセキュリティ意識として、対ストーカーの対策も講じていかなければならないのが、今このご時世です。
そして被害は女性だけでなく、男性も、大人も子供も標的です。
ネットストーカーやデジタルストーカーという、新しいストーカーが誕生していることから、誰でも被害者になってしまう恐れがあります。
ストーカー、あるいはあなたに敵意を持っている人間にとって、あなたの居場所を知るための最大のツールは、一般人が手を出せる範囲では盗聴アプリが最も有力です。
このページを含め当サイトをよく読んでいただき、不正アプリへの知見を深めてください。
すでに、不可解な現象が起こっているのであれば、プロによるスマホ盗聴調査・不正盗聴アプリ除去調査を行うなど、一つ一つ対策を取られることを是非お勧めします。
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