盗聴器というものを、目にしたことがある人は少数派でしょう。
実際に、盗聴器が仕掛けられていたとしてもすぐに分かるかどうか難しいかもしれません。
ですが盗聴器が仕掛けられている場所には傾向があるため、ここで盗聴器の発見にお役にたてるように、屋内と屋外、そして自動車という三つの場所に分けて、大まかに盗聴器が仕掛けられやすい位置をお教えします。
住居やオフィス、どの場所が怪しい?
住居内や事務所といった屋内であれば、盗聴器を仕掛けられる場所は無数にあります。
家具だけでも、普段開けないところの内部や目に入りにくい上部、裏の壁側、底面などに仕掛けることができます。
見逃しがちな場所はエアコンの上部や、テレビの回り、換気扇の内側、天井にある電灯、電話機周辺などです。盗聴器はそのような家具家電の周りだけではなく、電源コンセントの内部や、壁の内部や天井裏に仕掛けられていることもあります。
下記質問ページを参考にしてください。
他には置時計やぬいぐるみといった小物、パソコンの内部に仕掛けられていることもあります。
盗聴器には、見た目をペンや時計に似せる偽装型盗聴器も増えています。
パソコンのマウス、USBメモリ、モバイルバッテリーなどのプレゼントには気をつけましょう。
特に電源ソケットなどに偽装されたタイプは設置が簡単な上、家庭用電源から電力を得て半永久的に動作するので要注意です。
会社の会議室では、どの場所が怪しい?
会社の会議室に盗聴器が仕掛けられる場合、仕掛ける場所は少ないように思われていますが、実際には会議室の色んな場所に盗聴器を仕掛けることができます。
など
パソコン周辺は言うまでもなく、プロジェクター等の機器の周辺、書棚の内部や上部、机の天板の裏などもあり得ます。
椅子の裏やホワイトボードなどを覗き込むことも普段めったにありませんから、仕掛けられている可能性は大いにあります。観葉植物(フェイクグリーン)の鉢部分なども、よく観察してみましょう。
また、文房具などに偽装した盗聴器を置いておく、ということもあるでしょう。
管理しているもの以外の文房具が増えていたり、見慣れないもの、普段めったに触らないものには用心してください。
偽装型の盗聴器については下記の質問ページも参照になさってください。
住居やオフィスに、誰が仕掛けるのか?
基本的に住居は、外部から侵入された形跡が無ければ身内(家族あるいは友人)による盗聴の可能性も考えるべきでしょう。
直接の身内でないとするならば、部屋の合鍵を渡していた昔の恋人などといった、親しい人間も候補に入ります。
他に考えられるとすればストーカーによる侵入や、一度侵入に成功した空き巣が二度目以降の侵入チャンスを探るために仕掛けていった場合などが考えられます。
賃貸アパートなどであった場合、前に住んでいた住人が引っ越す前に好奇心から仕掛けていくのも意外と多いパターンです。
オフィスは、どうしても荷物の受け取りや機器の保守点検などで外部の人間を中に入れることもありますので、社内の人間だとは断定できません。
その目的も、社内の人間関係のもつれ、ということもあれば、サボりを監視していたりという些細なものであることもあります。
もっとも注意したいのは、産業スパイという可能性です。
機密情報を扱うときは、扱う場所も人間も限定的なものにして、流出への対策を練りましょう。
盗聴器は、屋内に仕掛けられるという思い込みがありませんか?
残念ながら屋外から、建物に盗聴器を設置して建物内の音声を聞くことが可能です。
どこが怪しいか?
盗聴器を屋外に仕掛ける場合は、屋内とは違ってどこにでも仕掛けられる訳ではありません。
ある程度電話回線などが密集してある場所、音声を拾い上げやすいところに集中していると言えます。
まず、最も多いのが電話線周辺に仕掛けられるケース。
電柱の端子函まで辿り着いて盗聴器を仕掛けるのは実に手間がかかりますが、どこの家庭にでもある保安器(電源線・通信線を保護する装置)ならば簡単に設置できます。
どの戸建・集合住宅にもあるものですので、探してみてください。
また、マンションなど集合住宅には各戸ごとに、電気メーターやガスメーターを設置しているPS(パイプスペース)MB(メーターボックス)というスペースがあります。
これは共有廊下側に設置してあり、基本的には鍵も掛けられないものです(施錠できるかはご自分のマンションの規約などをご確認ください)。
この場所のドアを開けて盗聴器を放り込んでおけば、室内の様子も鮮明に聞こえます。また、電源も設置してあることもあるため、機器に電源をつなげば、半永久的に盗聴ができます。
この場所の他にも、コンクリートマイクを録音機械につないだ盗聴器を、庭木などで見えない部分の寝室側の壁や出窓の裏などに設置していることもあるのでよく確認しましょう。
ひとり暮らしのアパートなどで多いのが、玄関扉についている郵便受けの上部(確認しづらい部分)です。
外部からでも手を伸ばせば届くので、小型の盗聴器に粘着テープをつけて仕掛けられますし、回収も簡単です。
盗聴器を屋外に仕掛ける場合は、屋内とは違ってどこにでも仕掛けられる訳ではありません。
まず、最も多いのが電話線周辺に仕掛けられるケース。
電柱の端子函まで辿り着いて盗聴器を仕掛けるのは実に手間がかかりますが、どこの家庭にでもある保安器ならば簡単に設置できます。
また、マンションなど集合住宅には電気メーターやガスメーターを設置しているパネルがあり、このドアを開けて盗聴器を放り込んでおけば室内の様子も鮮明に聞こえます。
(例)どこの家庭にもある電話保安器。フタを開けて2本あるヒューズのうち1本を盗聴器と交換すれば設置完了。
普通の住人が保安器まで覗くことは考えにくいため、まず気付く事がない。
ただし盗聴発見業者には重点的にチェックされる箇所で、盗聴器の外し方も専門知識が必要です。
誰が仕掛けるのか?
盗聴器を屋内に仕掛ける場合と違って、不法に住居侵入しなくても済むため、むしろ身内などよりも外部の人間である可能性が高くなります。
前述したストーカーや空き巣に加え、一部の調査業者(探偵)、近隣のトラブルを起こしている住人、家の場所は知っているがあげたことがない知人なども盗聴器を仕掛ける場合があります。
空き巣以外の目的は、つきまといや嫌がらせ、生活パターンの把握などが挙げられるでしょう。
どこが怪しいか?
車内であれば、運転席での会話を盗聴する想定ですので、運転席からあまりにも遠い場所は可能性としては低いでしょう。
など
自動車では、上記のような場所が盗聴器を仕掛ける目安となります。
普段使わないシートの下部などは、特に目立たず、盗聴器も仕掛けられやすい場所です。
後部座席や助手席にあまり人を乗せない場合も、ドアポケットの中などは見落としがちなので、仕掛け場所として選ばれることもあります。
設置者の時間に余裕があれば、簡単な分解(カバーを外すなど)をした程度でも設置可能な場所が広がります。
また、盗聴器を車輌発信機(GPS)として使うのであれば、車外に取り付けても役目を果たします。
こういった場合には自動車のバンパー裏側などにテープや磁石で貼り付けられるケースがほとんどで、よほど注意しないと目視しても気付かないことがあります。
自動車の底面に貼り付いた黒い物体。
中には無線式の盗聴器が入っている。
洗車や定期点検くらいであれば、気付く可能性は少ない。
盗聴器を自動車の位置発見器に応用した例。
PHS(またはGPS)タイプの車輌発信機とセットで取り付ければ、いっそう正確に位置を検索することができる。誰が仕掛けるのか?
まず車内に仕掛ける場合は、普通に鍵を使って開錠できる人間が最初の候補になります(わざわざピッキングまでして盗聴器を仕掛けるだけ、というのは考えにくいため)。
自家用車に仕掛けられたのであれば家族や交際相手が、営業用の社用車に仕掛けられたのであれば会社の上司などである可能性が考えられます。
車外に取り付けられた場合は、素行調査目的の探偵などが仕掛けたケースや、ライバル企業によって仕掛けられた可能性もあります。
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