録音式の盗聴器の発見方法を教えてください。
なぜ通常とは異なる機材を用いる必要があるのか、録音式の盗聴器の仕組みも解説します。
録音式盗聴器とはどんなものか?
録音式盗聴器は、ステルス盗聴器のなかの一種です。
ステルス盗聴器とは非常に見つけ出しにくいとされているものです。
その録音式盗聴器の正体は、ボイスレコーダーのように音声を録音する装置・機器です。
録音式盗聴器として市販されているものはあまりなく、ビジネス用のレコーダーや、現在は使っていないスマートフォンにレコーダーアプリをインストールしたようなものを、盗聴目的に悪用されてしまっているものがほとんどです。
デジタルボイスレコーダーやICレコーダーの機能・使い方はご存知かと思いますが、念のためご説明します。
電源を入れて録音したい時に録音開始ボタンを押します。
時間の限り録音するか、もしくは停止したいときに停止ボタンを押すと、機械の内部にある記録メディアに音声ファイルが作成される…という簡単な仕組みです。
このレコーダーの録音機能を、盗聴するために応用したものが録音式盗聴器となります。
通常の盗聴器はリアルタイムで盗聴した音声を電波で飛ばしますが、録音式盗聴器は電波は飛ばさずに機械内部に記録されます。
この特徴が、“発見されづらい”という大きなメリットをもたらします。動作音もほぼありません。
見つかりにくいというメリットは大きいものの、盗聴犯にとっては、仕掛けた後に回収する必要がある、というデメリットもあります。
電池式のものや、充電タイプのものがありますが、数十時間しか録音できないものですと、頻繁に回収しなければいけませんので、デメリットもそれなりに大きいものです。
ただし、物によっては1ヶ月程度録音し続けることができるレコーダーも存在します。
ですが犯人は盗聴した音声をすぐに聞きたがる性質がありますので、そこまで長期間放置され続けることパターンはおそらく少ないはずです。仕掛けられた場所によっては犯人像も絞られてくるかもしれません。
録音式盗聴器を見つけるためには?
録音式盗聴器は電波を発しない盗聴器なので、よく市販されている電波感知式の発見器では見つけることが出来ません。
ボイスレコーダーを盗聴器として仕掛けられている場合は、集音機能を高めるコンデンサマイクと呼ばれる専用マイクをつけて使用することもあります。
小型マイクと本体が細いコードでつながれているため、マイクを集音したい場所に置き、本体を見つかりにくい場所に隠す、といった工夫もされやすいため、目視で見つけるのも少々難易度が高くなります。
では、どのように電波を発しない録音式盗聴器を見つけるのかというと、まずは目視で調査した後に、機械の熱などを感知して見つけ出すのが主流です。
録音式盗聴器は、基本的に忍ばせておくときに機械に電源を入れて常に録音状態にしておかなくてはいけません。
すると本体に多少の熱を持っています。
その熱を感知できるサーモグラフィーで調査して、不自然な場所を突き止めます。
フリアーシステムズ社から発売されているFLIR E8は性能がよく小型で操作も簡単なハンディタイプのサーモグラフィなので使用しやすい機器と言えるでしょう。
補正機能も優れていて、リアルタイムで詳細に調査することが可能です。
他にも、録音式盗聴器を発見するときは、電子部品を感知し反応する専用機器を用いて調査することもあります。
録音式盗聴器が隠されている場所
録音式盗聴器は、屋内・部屋の中だけではなく、車両の中に隠されている場合が多くあります。
車両に仕掛けられていることが多い理由は、社用車などであれば身近な人物でなくとも、合い鍵が手に入りやすく、また簡単に立ち入ることができるからです。
車内に隠されている場合は、
- 座席シートの隙間や下
- ダッシュボードの中
- サンバイザーの隙間
- ぬいぐるみなどの置物の中
- 車内の照明器具の中
など。
こうした隠されていることが多い場所を、まずは目視でチェックするのも盗聴被害を防ぐために有効な手段です。
部屋の中でよく隠されている場所はベッドの下やソファーの隙間、観葉植物に紛れ込ませたりといったことが多いようです。
やはり、回収の都合もありますので、壁の中などの大掛かりな隠し場所にあるようなことは少ないでしょう。
録音式盗聴器が偽装されているもの
目視で盗聴器が見つからないこともあります。
デジタルボイスレコーダーやICレコーダーは、本来ビジネスシーンや習い事などに活かされる目的で作られたものです。そのためボールペン、マグネットなど、文房具機能を備え、見た目もスマートなものも多くあります。
その見た目が盗聴犯によって悪用され、堂々とペンに紛れさせて置いてあることがあるのです。
録音式盗聴器は以下のような文房具や日用品の姿をしていることがあるので、注意して観察してください。
録音式盗聴器が偽装されやすいもの
- ボールペン
- マグネット(丸型、板型)
- USBフラッシュメモリ
- キーホルダー
- 小型ラジオ
- 腕時計
- スマートフォン
- ペンダントネックレス
車の中にペンが置いてあったり、職場のオフィスなどにマグネットが増えていても、小型ラジオが置かれていても、周囲と自然に溶け込んでしまうので、犯人は隠す必要がありません。
アクセサリーやキーホルダーなども忘れ物のフリをして置いてあったとしても、不自然ではないでしょう。
録音機能がついているこのような日用品を盗聴器をして悪用された場合、見つけるのが非常に難しい盗聴器になってしまうのです。
録音式盗聴器を使う目的と犯人像
部屋は広く、いくらコンデンサーマイクを使っても音を拾いきれないこともあります。
対して車の中は密室でそれなりに空間は限られます。
車内は人と人の距離も近く、プライベートな話をすることも多い場所です。
さらに車内は死角も多く、盗聴器を仕掛けるのにうってつけの場所といえます。
プライベートの行動を聞く目的…ストーカーなど
興味本位で、盗聴されることがあります。
まったく無差別に行われることもあるかもしれませんが、録音式盗聴器は回収しなければ音声を聞くことができません。
車の中に仕掛けられる人ですので、親しい友人、もしくは会社の同僚、ということもあるでしょう。
また、素行を心配して何をしているか確かめたい、と考えた家族が仕掛けていることもあるでしょう。
浮気や不倫などの証拠を得たい目的…身近なパートナー
パートナーや恋人の浮気や不倫などを疑い、その証拠集めをする目的で、盗聴という手段にでることはあります。
浮気にでかけそうな日に車内に録音式盗聴器を仕掛け、帰宅後に素知らぬふりで回収されてしまいますので、出かける前にしっかり車内をチェックしましょう。
とはいえ、誤解を招く行動やモラル違反の行為は行わないのが第一です。
上司の監視目的…会社内の上司・経営陣
職務態度を監査・監視する目的で、社用車に録音式盗聴器が使われる可能性があるでしょう。
車内で取引先と電話したり、商談することもありますので、会社内の上司・経営陣がその会話を精査することが可能です。
(あまりに頻繁で執拗な監視をする会社は考えものです。)
以上のようなパターンが多いようです。
身近な機材でできることから、録音式盗聴器を使った盗聴はハードルが低いと言わざるを得ません。
しかし、盗聴される側にとっては恐怖を感じ、対抗策を練りたいと感じるでしょう。
録録音式盗聴器を見つけられる業者に依頼しましょう
電波を発するアナログ盗聴器は、高性能な盗聴器発見器があれば見つけることが出来るので、初歩的な調査で見つかります。
しかし、このような巧妙にカモフラージュされた見つけにくい盗聴器は、総じてステルス盗聴器と呼ばれ、見つけるのが難しい盗聴器の一種です。
一度ご自身で探されたあと、まだ不安が残っているようなら早めに専門の業者に依頼するほうが良いと思われます。回収されてしまっては、遅いからです。
とはいえ、ステルス盗聴器を発見するための機材を所持していない盗聴器発見業者も少なくありません。
確実に録音式の盗聴器も発見したいと考えるのであれば、ステルス盗聴器も発見可能な機材と知識を備えた盗聴器発見業者を探しましょう。
盗聴器の発見PROは、録音式盗聴器を含めたステルス盗聴器の発見が可能です。安心してご依頼ください。
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