盗聴の慰謝料相場はいくらですか?
盗聴被害による慰謝料の相場は、明確に決まっているわけではありません。
盗聴というのは、実は犯罪行為としては認められておらず、現在の日本には盗聴を規制する法律が存在しません。
例えば盗撮など、刑事罰が存在する行為に対しての慰謝料なら、その罰金の額を参考に慰謝料を考える事もできます。
しかし、盗聴に関しては参考になる金額がないため、明確な慰謝料の相場は決まっていないのです。
そのうえで、あえて盗聴の慰謝料の相場を言うなら、10万円〜50万円ほどが妥当な金額ではないでしょうか。
そもそも慰謝料とは、精神的・肉体的な損害に対する賠償金のことです。
法律による罰金などが定めれていない盗聴に関しては、被害者の精神的・肉体的な損害がどれほどだったか、という点が、最も重要な判断基準になります。
しかし、被害者に精神的・肉体的な損害が生じたとしても、実際にどこからどこまでが盗聴による被害なのか、複雑なファクターが絡み合った事例が多いため、慰謝料の金額は個々のケースによってまちまちなのです。
もちろん、被害者としては、盗聴されたというだけでも精神的ダメージはかなり大きいでしょう。
ですが、それを慰謝料という形で金額に反映する際には、あくまでも客観的な目で損害の度合いを測る必要があります。
示談でも裁判でも、被害者と加害者、それぞれの状況を考慮に入れた上で金額は算出されます。
盗聴被害に遭われた方は、ご自身の精神的・肉体的損害の大きさを正確に汲み取ってもらうために、盗聴によって生活にどんな悪影響が出たか、被害の記録をとっておくようにしましょう。
とくに、盗聴のせいで体調を崩したり精神疾患にかかった場合などは、通院の記録や診断書などを用意しておくといいでしょう。
慰謝料が高くなるケース
盗聴は犯罪行為ではなく、盗聴を規制する法律もないため、慰謝料の相場算出が難しいとお話しました。
ですが、盗聴自体は犯罪ではなくても、盗聴行為に付属して何らかの犯罪や不法行為が行われている場合もあります。
例えば
- 盗聴器を仕掛けるために他人の家に無断で侵入した → 住居侵入罪
- 盗聴器を仕掛ける際に他人の持ち物を壊した → 器物損壊罪
- 盗聴した内容をネタに被害者を脅した → 脅迫罪
- 盗聴した内容を第三者に公開した → プライバシーの侵害
など
このように、加害者が、盗聴に付属して何らかの犯罪行為や不法行為を行っていた場合は、その分慰謝料の金額が高くなる可能性もあります。
とくに、訴訟ではなく示談を行う場合は、加害者側との交渉ができるので、被害者の希望が反映されやすくなります。
ただし、明らかに被害の度合いに不釣り合いな高額な慰謝料を取ることはできません。
あくまでも、被害の内容を客観的に、そして正確に見極め、慰謝料に反映させることが大切でです。
そのためには、盗聴被害の証拠と記録をしっかりとっておく必要があります。
盗聴の証拠集めや慰謝料の請求をする際には、ぜひ探偵や弁護士を頼ってください。
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