「盗聴法」の正式な名称は「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」になります。
「盗聴法」とは通称名にあたります。略した名称は、「通信傍受法」です。
この「通信傍受法」、会話をしている本人たちが知らない所で警察が聞くことができることから、世の中では「盗聴法」と呼ばれているようです。
通信傍受法は平成11年に施行され、「盗聴法」として話題になっているのはその改正案の内容についてです。
まずは基本となる、現平成11年に施行された通信傍受法についてまずは説明しましょう。
傍受が可能な犯罪は組織的な犯罪に4つに限定されています。
傍受を行う場合の手続きは、裁判所で傍受令状をとり、通信会社に出向いて、通信会社の管理者立会いのもと、犯罪に関係する通信のみ傍受できる。とされています。
関係のない会話の場合は、犯罪とかかわりがあるかないかを確認できる最小限の内容だけを聞くことができますが、基本的には、犯罪に関係のない会話は聞くことができません。
しかし改正法案では、傍受可能な犯罪に、
などが加えられ傍受の幅が広がること、さらに、傍受の方法に「盗聴法」といわれる原因となるポイントが含まれています。
それは、改正前には「通信会社に出向いて、通信会社の管理者立会いのもと、犯罪に関係する通信のみ傍受できる。」とされていた点が、『警察が必要とした日数分の通話の圧縮データを通信会社から送ってもらい、立会人なしで警察でデータの検証を行うことができる。』と改正されています。
犯罪抑止や国内の安全のために必要とされる改正案ですが、『立会人がいない』『日数分の全てのデータが渡される』ことで、犯罪に関係のない会話まで聞かれてしまうのではないか?盗聴と同じではないか?と考えられ、「盗聴法」と呼ばれています。
海外ではテロ対策に通信傍受は当たり前のように行われています。実際テロを行った人物の逮捕や、テロが行われる前にアジトを急襲し、未然にテロを防ぐこともあります。
犯罪抑止には、必要な法案ですが、使う警察のモラルの問題をはらんだ法律ともいえるでしょう。
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